【映画 ニーベルングの指環】

【KAZUHIRO解説】

  映画のロード オブ ザ・リングの原作の「指輪物語」の元になった話で、ヨーロッパにキリスト教が入って来る西暦500年の時代の前からあった北欧の神話です。そして、何より、ワーグナーのオペラ(楽劇)「ニーベルングの指環」の元になったお話です。オペラでは神々の国の話が中心ですが、この映画では人間の国の話が中心です。ワーグナーオペラでは空駆ける女戦士ワルキューレの女神の戦士だったブリュンヒルデは、アイスランドの女王になっている。ワーグナーでは、小人族の鍛冶屋に育てられますが、映画ではジークフリートが立派な剣士でもある鍛冶屋に育てられます。

 私は小学生時代に、叔父にこの本をもらって読んでいました。その本では、ワーグナーのオペラと違って、この映画の通りのストーリーでした。二つのストーリが私の頭の中でごちゃまぜでしたが、この映画を見てこれが大元だと感じました。

 女王ブリュンヒルデの悲しい恋の物語でもあります。裏切り、嫉妬、まやかし、がストーリーの大筋を占める点だけはワーグナーのオペラと一緒です。クリスタナ・ローケンの演じるブリュンヒルデ女王は美しく、冷酷で、強そうでした。


【あらすじとキャスト】

王国同士の勢力争いが絶えない、ヨーロッパの暗黒時代。敵国の王に攻められ、クサンテン王である父親を殺された幼きジークフリート(ベンノ・フユルマン)。母親が命がけで守ったことによって、鍛冶職人のエイヴィン(マックス・フォン・シドー)に拾われ、自分の出生を知らぬままに成長していく。12年後。たくましい青年に成長したジークフリートは、神々の導きによりアイスランドの女王・ブリュンヒルデ(クリスタナ・ローケン)と出会い、再会と永遠の愛を誓って別れる。

ジークフリートは、ブルグンド王国のグンター王に剣を納入に行き、ブルグンド国が、巨大竜ファーフナーに攻撃されていることを知る。竜退治に出かけたグンター王だったが、返り討ちに遭い、負傷して戻ってくる。腕に覚えのあるジークフリートは、たったひとりで竜を退治し、竜が隠していたニーベルング族の宝である指環を発見する。

この一件で、英雄として国王の厚い信頼を受けることになったジークフリートだったが、指環にかけられた呪いと、指環を狙う者たちの憎しみを一身に背負うこととなり、やがては永遠の愛を誓ったブリュンヒルデ女王との運命にまで暗雲が立ち込める…。

 

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ジークフリード(エリック):ベンノ・フユルマン
女王ブリュンヒルデ:クリスタナ・ローケン
グンター王:サミュエル・ウェスト
ハーゲン卿:ジュリアン・サンズ
エイヴィン:マックス・フォン・シドー

   主人公、ジークフリートを演じるのはベンノ・フユルマン。映画「戦場のアリア」では非力のオペラ歌手を演じ、映画「美しきイタリア、私の家」では謎のドイツ人と、これまで静かな役が多かった彼が、そんなイメージを払拭させるかのように勇敢な英雄を好演。

 

 美しきアイスランドの女王ブリュンヒルデを演じるのは、映画「ターミネーター3」で女ターミネーターを演じ、大々的にハリウッドデビューを飾ったクリスタナ・ローケン。

国王グンターには、映画「アイリス」で若き日のアイリス(ケイト・ウィンスレット)の取り巻きの一人を演じた英国俳優、サミュエル・ウェスト。また、グンター王の側近ハーゲン卿を演じるのは、映画「眺めのいい部屋」のジュリアン・サンズ。ジークフリートを敬愛するグンター王の弟を演じるロバート・パティンソンは、全米で大ヒットを記録した「トワイライト~初恋~」で大ブレイクした人気俳優。

 

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~ by kazuhiro : 2009/11/13.

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